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同じ蒲焼なのに、うなぎの割き方がなぜ違う?
関東は背開き、関西腹開き
ご存知の方も多いと思いますが、関東のうなぎの割き方は背開き。関西のうなぎの割き方は腹開きです。
「江戸は幕府のおひざ元、切腹をイメージさせる腹開きは武士たちに嫌われた。だから背開きなんだよ」という説をよく聞きます。「なるほど~」という気もしますが、冷静に考えると他の魚は腹開きです。うなぎだけ背開きっていうのも変な話です。

それは、蒲焼の製法の違うから
関西の腹開き、関東の背開き、この違いはズバリ、「蒲焼の製法の違い」によるものです。上の写真は白焼きした鰻を蒸しあげたものですが、蒸すと余分な油が抜けるのと同時に、身も大変柔らかくなります。ですので、身の厚い背側の部分に串を打たないと、身が柔らかすぎて串のところから身が割れてしまいます。

関東:蒸してから焼き上げる、ふんわりやわらかタイプ
関西:蒸さないで焼き上げる、歯ごたえしっかりタイプ
関西の蒲焼きは蒸さないので、柔らかすぎて串を打ったところから身が割れてしまう…なんて事がないわけです。背開きは「うなぎを蒸してから焼き上げる関東風の蒲焼き製法」が確立される過程で、江戸時代の職人たちが編み出した工夫、合理的な技術だったのです。江戸時代に編み出された技法が現代に続いている…。そう思うと、あらためて江戸の職人たちに感謝したい気分になりますね。
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[…] 関東の背開き、関西の腹開き。うなぎの割き方が違う理由。 […]