夏が旬のうなぎをお歳暮で贈るのは時期外れ?

うなぎの旬といえば、土用の丑があることから夏が旬と考えている方も多いでしょう。しかし、うなぎの旬は夏ではありません。

確かに5月からうなぎを収穫するため、スーパーなどで販売されることもありますが、脂が乗った美味しいうなぎは水温が下がり始めてからが旬なのです。

今回は、夏に食べられることが多い、うなぎをお歳暮で贈るのは時期的におすすめなのかどうか、詳しい内容を紹介していきます。

天然うなぎの『旬』は10月から

5月から収穫できるうなぎは、冬眠に入る12月まで収穫することができます。冬眠に入る前にうなぎは栄養を蓄えようとするため、10月の時期に脂が乗り始めることから、うなぎの旬は10月頃です。

それではなぜ旬ではない夏に、土用の丑としてうなぎが食べられ始めたのかというと、江戸時代に夏場のうなぎの売上が落ちたことから、「平賀源内」が「本日、土用の丑の日」と張り紙をしたことで大繁盛したことがきっかけと言われています。

今ではうなぎがスーパーなどで販売されていますが、そのほとんどが養殖です。本来の天然のうなぎは希少価値が高く、めったにスーパーなどに並ぶことは無いでしょう。

養殖うなぎも年間を通しておいしく食べられる

近年では養殖うなぎの収穫の方が増えており、1年中美味しいうなぎを食べることができます。養殖のうなぎは、温度調整を適切な環境に整えて、食べ頃になる時期を調整して養殖されているため、年間を通して品質が安定しているのが特徴です。

養殖うなぎの場合は、土用の丑の時期に旬が来るように育てられていることもあり、養殖うなぎの旬は夏ともいえるかもしれません。ただ基本的には、養殖のうなぎは年間を通して品質が変わらないので、あくまで夏の土用の丑に出荷数が多いだけともいえるでしょう。

年間を通して脂が乗ったうなぎをどんな時期でも食べることができるため、濃厚な味わいのうなぎが食べられることが養殖の強みであり特徴です。

天然うなぎの方があっさりとした味わいをしていますが、養殖のうなぎは脂が乗るように育てられているので、比較的深みのある味わいがあります。

「年内を元気に過ごしてもらいたい」という気持ちを込めて…

うなぎの栄養価は高く、栄養バランスも優れていることから、お歳暮として贈ることは元気に過ごして欲しいというメッセージが込められています。

具体的などのような栄養が含まれているのか、詳しく紹介していきましょう。

まずビタミン類が豊富です。免疫機能を向上させ、代謝を促す効果が期待できます。他にも細胞を活性化させる効果も含まれているため、風邪や貧血を予防することが可能です。

現代人が不足しがちなミネラル類も、うなぎには豊富に含まれています。カルシウムは骨を丈夫にし、鉄分や亜鉛は疲れを溜めにくい体にするために欠かせない成分です。

脂質についてもうなぎは優秀で、DHAやEPAが豊富に含まれています。脳細胞の活性化を促すだけでなく、コレステロールや中性脂肪を分解する働きが備わっているのです。

また美容面でもうなぎは優秀で、コラーゲンやコエンザイムQ10が含まれています。コラーゲンは肌の新陳代謝を正常に働かせるために重要で、コエンザイムQ10はエネルギーを体内で生産するために大切な酵素の一種です。積極的に摂取することで、内側から肌を綺麗に保つことができます。

体調管理を行う上で、うなぎを食べることは体を労わることに繋がるので、大切な人にお歳暮で贈ってあげてみてください。

お歳暮にうなぎを贈るのは全く時期外れではありません!

うなぎの旬は10月頃であるため、お歳暮としてうなぎを贈ることは時期的にも間違いではありません。むしろ、一番脂が乗っている美味しい時期にお歳暮として贈る訳なので、相手を労わる気持ちがあって素敵な贈り物です。

またうなぎをお歳暮として贈る前に知っておきたいのが、調理方法の種類になります。主に「蒲焼き」と「白焼き」があるので、どのような違いがあるのか理解しておきましょう。

まず蒲焼きはタレをつけて焼いたもので、関東風では味が染み込んで柔らかいのが特徴です。ふっくらとした身の脂とタレの甘味が合わさって、旨味が溢れます。関西風ではカリっとした食感に仕上げているのが特徴で、焼き目の香ばしさが魅力的です。

白焼きはうなぎにタレをつけていない状態で素焼きにしたもので、うなぎ本来の旨味を味わうことができる調理方法になっています。塩やわさび醤油で食べることで、うなぎの旨味をより感じることが可能です。

また、旨みの深さを存分に引き出すため白醤油で焼き上げた「白醤油焼き」は、日本人が好む端麗で上品な味わいで、うなぎ本来の味をいっそう引き立てます。薄味ながらしっかりと塩味が効いていますので酒の肴としても最適。そのままでも美味しく召し上がれますが、お好みでわさび、醤油、塩、ポン酢等を使ったり。サラダやアヒージョなど素材の味を生かしたアレンジ料理にもご利用いただけます。

1年間お世話になったお礼として渡すお歳暮は、相手を思う気持ちが伝わるともらった方も嬉しいものです。特に旬のうなぎが贈られてくれば、体を労わってくれているのだなと感激するものです。

大切な人が年内を元気に過ごしてもらいたいという気持ちを込めるためにも、お歳暮としてうなぎを贈ってみてはいかがでしょうか。